Kvasir Works株式会社
鶴田 一朗
「自分にもできるかも」と思えるような社会をつくりたい。信頼できる伴走者がいることで、資金調達のハードルが下がる実感
2025年4月7日

Z世代に特化した総合マーケティングエージェンシーである、Kvasir Works(クヴァシルワークス)株式会社は、SNS運用代行・広告代理店・インフルエンサーマーケティングを展開し、顧客や事業を通したZ世代活躍の場を拡張中。
事業の特性上、先行投資が大きいビジネスではないが、事業をスケールさせるここぞというタイミングで、デットファイナンス(創業融資)を選択。
代表の鶴田 一朗(つるだ いちろう)さんにそのプロセスや、17歳で起業、最年少上場を目指す起業家として創業の原点や転機を自ずからどう創ってきたのか。最年少上場を通して、何を成し遂げたいのか。という問いに、答えていただきました。
Kvasir Works株式会社 代表取締役 鶴田 一朗 /@Ichiro63552829
2004年兵庫県神戸市出身。 N高等学校卒業後にiU情報経営イノベーション専門職大学へ進学。 高校時代から個人事業主として、ベンチャー企業の採用と集客に特化したSNS運用代行事業を開始。2023年に活動に注目したChatwork(東証グロース市場)の創業者・山本 敏行とKvasir Work株式会社を共同創業。
創業の原点は”自由”への憧れと、N高で出会った仲間の刺激
interviewer: まずは、起業のきっかけについてお聞かせいただけますか?
鶴田: きっかけは、私が通っていたN高での出会いや環境が大きかったと思います。同世代で起業して活躍している人が多く、「自分の年齢でもできるんだ」と実感しました。もともと将来的に自由に生きたい、思い切り稼ぎたいという思いもあって、高校時代にビジネスを始めました。周囲の影響や、自分自身の可能性を信じる気持ちが重なり、自然と起業という道を選ぶようになったんです。
interviewer: N高に進学された理由も、そういった思いからだったのですか?
鶴田: もともとは留学したいという思いが強かったのですが、コロナ禍で断念することになりました。中学時代は不登校気味だったこともあり、自由な校風のN高に魅力を感じて入学しました。そこで出会った友人や先輩たちの存在が、自分にとって大きな刺激になりましたし、自分のペースで学びながら社会とつながるきっかけも得られたと感じています。その結果として、ビジネスという新しい選択肢に出会うことができたのです。

事業の立ち上げと転機となった、山本氏への想い
interviewer: 最初に取り組まれたビジネスについて教えてください。
鶴田: 最初はメルカリでの不用品販売やアフィリエイトなど、個人でできることから始めました。収益は小さかったですが、自分で稼ぐ体験ができたことが大きな学びでした。その後、SNSの可能性に気づき、運用代行や広告事業へと展開していきました。最初は本当にうまくいかず、試行錯誤の連続でしたが、徐々に案件をいただけるようになり、自信にもつながっていきました。
interviewer: 貴社の取締役である山本敏行さん(Chatwork創業者)との出会いが転機になったと伺いました。
鶴田: Facebookで山本さんの起業家と投資家のつながりを創る活動を知り、興味を持ってコミュニティに参加しました。当時、週1回のZoomミーティングは必ず参加して、オフラインイベントにも絶対行き、積極的に山本さんとのコミュニケーションを通してキャッチアップしていましたね。自分を印象づけたいという想いもあり、めちゃくちゃ会いにいってましたね。笑
interviewer: すてきな猛アピールですね。
鶴田: そこから法人化を考えていたタイミングで、エンジェル投資を受けることになりました。出資いただいたことに加え、実際に取締役として事業にも参画いただき、伴走してもらうこととなりました。
最初の出会いから、山本さんのご経験や活動から人間として尊敬の想いと事業を推進する上で何かしらの形で、そのご経験から盗みたい。という気持ちがあったと思います。実際、やり取りをしていく中でお互いに価値観やタイミングが重なったことで、自然と「一緒にやろう」となりました。
interviewer: 鶴田さんの貪欲な熱量が伝わり、相思相愛の関係性になっていったのですね。エンジェル投資で受けた資金はどのような使途で活用されたのでしょうか。
鶴田: 会社設立の際に必要となる登記費用などに充てる目的での出資で、当時はまだビジネスモデルも自宅で完結するような小規模なもので、大きな資金は不要でした。しかし、必要最低限の初期コストをまかなうには十分で、事業を法人として立ち上げるという最初の一歩を踏み出すための、大きな後押しとなりました。
また、信頼のおける支援者からの出資という点でも、精神的な安心感がありました。資金調達という選択肢を現実的なものとして捉え始めたきっかけにもなり、売上の伸長に伴い後の創業融資を検討する際にも、初期の投資経験が大きく役立ちました。
スピード感をもって事業のチャレンジを進められた
interviewer: 次の資金調達として創業融資を検討される際、どのようなステップを踏まれたのでしょうか?
鶴田: 知人の紹介でINQの存在を知り、実際に面談をさせていただいたのが始まりです。「まずは早めに相談したほうがいい」とアドバイスをもらい、すぐに動きました。事業も進めながら自分ひとりで実行には限界があると感じていた中で、INQのような伴走型支援はとても心強かったです。
当時、融資で調達した資金は、主に運転資金として活用しました。具体的には、広告費や外注費、クリエイティブ制作費といった、マーケティングやサービス提供に直結する部分に充てています。事業をスケールさせるフェーズにおいて、まとまった資金を確保できたことで、スピード感をもってチャレンジを進めることができました。
interviewer: 実際にINQのサポートを受けてみて、いかがでしたか?
鶴田: 必要な資料の提出や面談など、最低限のことだけに集中できたのが非常に助かりました。事業に専念しながら手続きを進めることができました。事務的な手間が減ったことで、時間的・精神的にも余裕ができたことが大きかったです。担当の方は事業への解像度が高く、そして話しやすく、やりとりもスムーズで安心感がありましたね。自分でやるよりも確実に早く、正確に進められたと思います。
信頼できる伴走者がいることで、資金調達のハードルが下がる
interviewer: 今後、INQを他の方におすすめするとしたら、どんな方に向いていると思いますか?
鶴田: やはり、忙しくて時間がなかなか取れない方や、調べながら一人で進めるのが不安な方におすすめです。伴走中も、より安心感をもって進行したい方に薦めたいですね。
私の周りにも若い起業家が多いのですが、INQの担当の方はみなさん若い世代にも寄り添ってくれる印象があり、ある種偏見なくフラットな目線でサポートしてくれるのがありがたかったです。特に、創業初期は何を優先すべきか迷うことが多いので、信頼できる支援者がいることで、資金調達のハードルがグッと下がると実感しました。
interviewer: 資金調達をする上での知見や判断について、どのようにキャッチアップされてるのですか?
鶴田: X(旧Twitter)で日常的に情報をキャッチアップしています。起業家や投資家の発信をフォローしながら、リアルタイムでトレンドや事例を学んでいます。また、実際にエンジェル投資を受けた経験や、起業家仲間、投資家とのラフな会話の中で得られる知見も大きいです。例えば、「資本政策のこの点は意識した方がいいよ」など、実務的なアドバイスをもらうことができたのはとてもありがたかったです。
お客様のフィードバックがチームのモチベーションになる、よい循環に
interviewer: 事業の現状のフェーズ・状況について教えていただけますか?
鶴田: 現在は、広告代理業、SNS運用代行、インフルエンサーマーケティングの3つを中心に事業展開しています。美容系や人材、不動産などさまざまな業種のクライアント様に対して、TikTokを中心としたSNS活用で採用支援やPRを行っています。クライアントのニーズに合わせて、柔軟なサービス提供を意識しており、リピート率も高くなってきています。
インフルエンサーについては、ナノインフルエンサーから大手まで幅広いネットワークがあり、広告代理事業と連携してPR案件の対応もしています。最近では、成果報酬型のキャンペーンや共同プロジェクトなども増えており、提供するサービスの幅がさらに広がっています。
interviewer: クライアント様の反応はいかがですか?
鶴田: ありがたいことに、継続して取引していただいている企業様も増えていますし、ご紹介も増えています。実際に「スピード感があって頼もしい」「成果に対して的確な提案をしてくれる」といったお声をいただくことも多く、そうしたフィードバックがチームのモチベーションにもなり、よい循環になり始めています。

一方で、提供する事業の特性上、企業のコンプライアンスとの兼ね合いが難しい場合があります。より成果が出ているクライアント様は、その兼ね合いへのバランス含めて許容いただき、内容の自由度を確保いただいています。そうする上でも、クライアント様との関係構築や信頼の積み重ねが非常に重要です。
“手段ではなく、目的のためにSNSを活用する”という前提で、一緒に並走してくださるお客様とのパートナーシップをこれからも大切にしていきたいと思っています。
若者が挑戦できる環境を、次の世代に繋いでいくために
interviewer: 今後の事業展望についてお聞かせください。
鶴田: 今後は、日本国内にとどまらず、海外向けのマーケティングにも力を入れていきたいと考えています。日本には素晴らしい商品やサービスがたくさんありますが、知られていなければ意味がありません。しっかりと認知を取り、成果に繋げるご支援をしていきたいです。実際、最近はインバウンド系の企業様からのご依頼も増えています。
interviewer: 鶴田さん自身として最年少上場という目標も掲げていらっしゃいますよね。その背景にある想い、成し遂げていきたいものについてお伺いしたいです。
鶴田: 最年少での上場を目指していますし、事業を通して、若い人が活躍できる環境を広げたいと思っています。その姿が、これから挑戦しようとしている若い人たちの刺激になれば嬉しいです。
そしてその先、私自身も、将来的には例えばエンジェル投資家として若者の挑戦をサポートできる存在になりたいと考えています。自分がまさに山本さんから得られたご縁のように、次の世代に還元できるような活動をしていきたいと考えています。
特に、情報格差や資金的な不安によってチャレンジをあきらめてしまう若者を減らし、「自分にもできるかも」と思えるような社会をつくっていきたいです。
※本記事は、2025年4月3日時点の情報です
※インタビュアー・編集:株式会社INQ 遠藤 朱美
※デザイン:高橋 亜美さん
▼本プロジェクトのコンサルタント担当者

1992年滋賀県野洲市生まれ。明治大学法学部卒。
卒業後、営業スキルを鍛えるため、リクルート系大手人材派遣会社にて営業職として勤務。 営業部門で年間表彰を受けるなどトップセールスの記録を持つ。 ビジネスにおいて金融及び法律の知識は必須であるという考えから、行政書士資格を取得する。 前職の営業経験とフットワークを活かし、2年間で200件を超える融資案件を担当。 クライアントの問題解決のために多角的なコンサルティングを行っている。 迅速な対応と丁寧なフォローでクライアントの信頼も厚い。
2匹の猫、一児の父。